キャリアカウンセラーが伝えたい就活のコツ

都内大学で2000人以上の学生と接して感じたこと、就活生に伝えたいことを綴ります。         月、木に更新の予定です

わが社が第一志望ですか?と聞かれたら・・

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3次面接や最終面接になってくると

「わが社は第一志望ですか?」
「内定が出たら、就活はやめますか?」

などど、少し強めに聞かれることがあります。

このとき、
「第一志望です」「やめます」と答える学生がほとんどだと思います。

「本命が他にある場合、どう対応したらいいですか?」と
聞かれることがありますが

多くの学生と接していると、ここでの対応は本当に様々です。

一番スタンダートであり、多数なのは、

割り切って、「第一志望です」と答えて、内定を得るケースです。

自分のスタンスがはっきりしているので
すぱっと言うことができ、説得力があります。

実際、第一志望でない学生は落とされる場合も多いので、

アドバイザーによっては
「第一志望と答えるのが常識です」という人も多いと思います。

他にも
「第一志望群です」と答え、
他への含みも持たせる答え方も多いです。

言い切ってしまうと、
本命企業を受けられないのでは?
辞退するときに断りづらい・・と不安に思って
志望群・・と言って含みを持たせます。

企業によっては、
この「第一志望群です」という学生は
うちが本命ではないと判断しているというところもあります。

一方で、
自分に嘘はつきたくない、正直に行きたい・・という人もいて

「本命は○○です。でも社風や働く方々の人間性に惹かれているので、御社に入社したい気持ちもあります」と本当のことを伝える人もいます。

辞退者の多い業界などは、
初めから本命で来てくれる人は少ないため、

こうして素直に話してくれた学生に誠実さを感じ、
「そちらの結果がでるまで待ちます」
「4月いっぱいまででしたら、保留にします」と言ってくれる
企業もあります。

この場合は、自分を偽ることなく進められるので、
気持ちの面では負担が一番少ないです。

ただ実際、「他社が本命であれば、違う学生を採用しよう」という
企業も多いので、ここは判断が分かれるところです。
業界や企業の特性をきちんと調べて臨みましょう。

さらに踏み込まれ、
「内定を得たら就活をやめますか?」と聞かれたとき

「はい、やめます」と答え、内定承諾書の提出と進んでいくことが
多いのですが、

他も見てみたい場合や他に本命を受けたい場合、

「御社への志望度はとても高いのですが、今、選考が進んでいる企業は、ご縁があった企業だと思います。そうしたご縁は大事にしていきたいので、選考中の企業は勧めさせていただければ・・と思っております。選考中の企業が終わったら終了したいと思います」

となど答え、大体の目途を伝えて待ってもらう学生もいます。

「第一志望ですっていうのが常識ですよね」
と淡々としている学生もいれば、

志望度の低い学生は落とされることも多いと伝えても、
「嘘を言うのはちょっと・・採用者側もわかるのではないでしょうか?」と正直に話そうとする学生もいて、

ここでの対応は本当に様々で、
性格がよく出るところだな・・と感じます。

業界によっては待ってくれるところもありますし、
「正直に話してくれてありがとう・・それでもあなたにきてほしい」
といわれて、学生側が企業の優しさに感動して
入社の思いが強くなったという例もあります。

いろいろな対応、選考結果があるので、
本当にケースバイケースだと思います。

ですので、その企業に就職した先輩の話や
企業研究を参考にして
自分なりのスタンスを決めておくと良いと思います。

 

他社の選考状況を問われたら・・

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選考が進んでいくと、
他社の選考状況を聞かれることも多いです。

このときも採用者側の視点を意識して、
ポイントをおさえた対応ができるといいと思います。

採用者側には、
「内定を出したら、この学生がうちにきてくれるのか?」を
確かめたい気持ちがあります。

https://note.com/miyabicareer/n/na0c948afbdfd

 

内定辞退

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内定を複数得たときなど、辞退する場面もでてきます。

せっかくの内定を断るため、
「どうしよう・・」と、不安になってしまう学生が
少なくありませんが、

企業側は、辞退も想定内のうちに入れて採用活動をしています。

そのため、きちんと誠意をもってお話すれば
理解を得られる場合がほとんどです。

ただ、企業側は、一人の学生に内定を出すまでに
多くの時間、費用、マンパワーをかけていて、
辞退によってそれらを無駄にしてしまうわけですから、

辞退する際は「申し訳ない」という気持ちを
全面に出して伝えましょう。

以前は、きちんと訪問して伝える傾向が強かったのですが、

最近は、
訪問だと手間がひとつ増えると感じる採用者も多くなってきて、
電話で済ませるケースが多くみられます。

辞退の理由を聞かれることが多いですが
失礼のない形で、素直な気持ちを伝える方が
誠実だと思います。

といっても、あまりストレートにお伝えすると
気を悪くさせてしまうこともありますので
事前にキャリアセンターなどに相談してみましょう。

また、

企業側は内定を出すと、採用人数に基づき

配属先を決めたり、次年度の方針を立てたり、備品を発注したり・・
実際に動き始めます。

辞退によって、
行くはずだった部署に空きが出てしまいますから

企業側は
その分欠員補充をしたり、他部署の人材を回したり、
人繰りをしないといけなくなります。

あまりぎりぎりになると
大きな迷惑をかけてしまうため
その会社には、行かないことがはっきりしたら
すぐに辞退を申し出ましょう。

そのため、個人的には
持っている内定は常に一つにしておくことを勧めています。

新しく得たら、
そこと持っている内定企業のどちらがいいかを比べ
いい方を残して、一方は辞退する・・というイメージです。

最初に内定を得た企業に就職するとは限りませんので
学生側も、辞退に対して、
必要以上に不安に思ったり、心配したりする必要はありません。

納得のいく会社で働くことが一番ですので
初めからあきらめたり、投げやりになったりしないで、
きちんと確認して、進めていきましょう。

また内定承諾書についてもよく聞かれます。

内定を得ると、
企業側から内定承諾書の提出を求められることがあります。
これには、企業側がせっかく決めた採用者に
確実に入社してほしいという思いが込められています。

印鑑を押したり、保証人を立てさせたり、
承諾書を提出した後も、懇親会や内定者の集まりなどで
招集がかけられることがあります。

採用者が全員入社してもらうことを前提に
人事の配置を考えていますから、
企業側も他に行かれないように力が入ります。

ただ、この内定承諾書に法的根拠はありません。

ですので、必要以上に深刻になることはありません。

ちなみに、少しでも入社の可能性がある場合は、提出しておいても
いいのではと伝えています。

承諾書提出後の辞退は、
さらに相手の企業に失礼のないようにすることが
必要ですので、事前にキャリアセンターなどで
アドバイスを受けてから、申し出るようにしましょう。

複数内定を得たら・・

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頑張って就活を進めていくと、

第一志望群の企業、
抑えで受けていた企業、
なんとなく受けてみた企業・・などから、

複数内定を得ることがあります。

自分の中で、順番がついていれば
そんなに迷うことはないのですが、

同じような志望度の企業から内定をもらったり
また選考を受けるために何度も関わっているうちに
人事の人柄や社風に惹かれて志望度がぐんと上がってきたりすると

どこの企業がいいのか、迷ってしまうことがあります。

その際は、自分の知識や直感だけでなく

さらに詳しく調べてみたり
実際に働いている人に話をきいたり
キャリアセンターで卒業生の資料を調べてみたりして

自分の納得のいく会社かどうか、
長く働ける会社かどうか
しっかり見極めてみてください。

内定を得られた喜びで、
表面的な部分しか見えていなかったり、
説明会で聞いたことを鵜呑みにしたりして、

入社後、思っていたのと違う・・となってしまうと
大変な思いをして就活を進めてきた、せっかくの苦労が報われません。

実際に、その企業で働いている人の
リアルな声を聞けると、一番いいと思います。

ある学生は、
Aという企業で内定を得るために、頑張って選考を進め、
努力の甲斐があって、最終面接までいきました。
そこで、入社の意向を強く確かめられたそうで、相談にやってきました。

OBに聞いてみては?と勧めたところ
その学生は早速、聞いてみたそうです。

すると、
残業、残業でとてもハードな仕事だそうで、
すでに同期は5人辞め、自分も今年度いっぱいで辞めると
話していたそうです。

もちろん、楽な仕事はありません。
ただ、1年もたたないうちに入社1年目の人が
5人も辞めてしまうというのは・・・・少し不安になってきます。

その学生は、A社で内定を得られたら就活を終わりにしようと
考えていましたが、その話を知って、
果たしてそれでいいのか不安になりました。

結局、その学生は内定を辞退して就活を続け、別の企業に就職しました。

先日会った時は、覚えることが多くて大変だけど、
みんな優しいし、やりがいがあると話していました。

実態を確認することは大切です。

内定を得る前と後とでは、同じ情報でも違って感じるかもしれません。

複数内定を得たときは、それぞれについて再度調べ、
改めてどの企業にするか考えてみると
ミスマッチも減るのではないかと感じます。

また、どれもが好条件で選べない場合は、

福利厚生や仕事内容、女性の活躍、勤務地など
気になる項目をできるだけたくさんあげて
10点満点で何点なのか?点数化することをおすすめしています。

仕事内容はすごくいいけど、通勤が片道1時間半・・
定時で上れそうだけど、仕事が物足りなくなってしまいそう・・
土日休みでないけど、ずっとやりたかった仕事・・

それぞれの要素が違うため、
頭の中でいろいろ考えていても、堂々巡りで
いつまでたっても答えは出てこないでしょう。

ですから、

項目ごとに点数化して、高得点順に並べて
絞っていってもいいと思います。

就活は、企業側から選ばれるイメージが大きいですが
学生側が選ぶ視点も大切です。

複数内定を得たときは

最後まで気を抜かず、その中で一番自分に合う企業を、
しっかり吟味して選んでみてください。

 

就活に疲れた時

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就活は長期戦です。

いつ終わるかもわかりませんし、
一人で進めていくことが多いので孤独を感じることもあるかもしれません。

自分のやり方があっているのかわからなくなる時もあれば
お祈りメールが続くと、
もうだめなのではないか・・と落ち込むこともあります。

ずっと根を詰めてやっていくと、
どこかで疲れが出ることが多いように感じます。

ところどころで、うまく息抜きをして
モチベーションが極端に落ちないようにできると良いですね。

ついついぶっ通しで頑張ってしまい、
知らず知らずのうちに疲れがたまっていき、
ある時ポキっと折れてしまうことがあります。

「何もやる気が起きなくなって
10日くらい何もしないで部屋に閉じこもってました・・・」

というやってくる学生が、ときどきいます。

厳しいようですが、その間も選考は次々と進んでしまいます。
ESの締め切り、説明会の実施・・どんどん締め切られていきます。

それが、選考ラッシュの真っただ中だったりすると、
自分のやりたい仕事、興味ある業界であっても
結局受けられないまま、流れてしまうので、本当に残念に思います。

1,2週間して、やる気が復活したときには
すでに選考受付が終わっていた・・ということもよくあり
とてももったいないな・・と感じます。

そうなる前に、所々で
疲れた時や落ち込んた時は早めに休みを入れて、
ある日、突然ポキっと折れないように
気を付けていけるといいと思います。

休むといっても、何日も休んでしまうと
再開するのが面倒になったり、
せっかくわかってきた面接の感覚が鈍ってしまったり、
締切日に出せたり、出せなかったりるので、

半日、あるいは1日くらいの休みを
定期的にいれることをおすすめしています。

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おいしいものを食べたり、
好きな映画を見たり、
漫画を読みふけったり、
スポーツで体を動かしたり、
バイトを入れてみたり、
友達としゃべりまくったり・・

一時期でも、就活を忘れて好きなことに没頭してみてください。

心が満たされると、心のパワーがチャージされて
いいガス抜きになります。

就活中盤の時期になると、
疲労感たっぷりの表情でやってくる学生が一定数います。

真面目な学生ほど、根をつめて頑張ってしまい、
心のパワーがスカスカになっているのです。

そうした状態は、確実に表情にでます。

やつれた表情でげっそりしている人と
明るく元気にはつらつとしている人では
受ける印象が全く変わってきます。

第一印象が与える影響は大きいです。

そのため、

普段から定期的に休みを入れるなどしてあまり疲れをためないようにし、

選考の前日は、

夕食にちょっとおいしいものを食べて、
ゆっくりお風呂に入って、
早めに寝るよう勧めています。

心にパワーがあると、
突発的な質問に対する瞬発力やひらめき力もぐっとアップします。

やることに追われて、
なかなか取れないことも多いと思いますが、

どうにかこうにかやりくして
時間をあけてリフレッシュした方が
結局的に効率がよくなって
パフォーマンスがあがることが多いように感じます。

また、疲れた時やつらいときは
我慢しないで泣いてしまいましょう。

心配をかけたくないという思いがあったり、
家ではいつも元気でいることを求められていたりして、

うまくいかなくてつらい状態でも、
家では笑顔で何でもない風を装っている学生が結構います。

つらい思いを我慢して我慢して
一人でけなげに頑張っている姿を見ると、

今の学生には泣ける場、
弱音を吐ける場、
つらい思いを受け止めてもらえる場がないんだな・・とせつなくなります。

「悲しくて泣く」というのは、当然の自然現象ですから、
早めに寝て、布団の中でこっそり泣いたり、
お風呂に入りながら泣いたりして、
なるべく体の外へ出すようにすると良いと思います。

泣いても状況は全く変わりませんが、

一通り泣くと、すっきりします。
そして「やっぱり頑張ろう」となることが多いように思います。

就活にはいろいろな試練があります。
すべてを自分の力だけでこなしていくことは
なかなか難しいと思いますから、

キャリアセンターをはじめ、いろいろな就活支援をうまく利用して
進めていけるといいと思います。

受け答えのポイント

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面接では、三代質問のほかにも

長所と短所、
今までで最大の困難とそれを乗り越えた経験、
就活の軸、
どんな社会人になりたいか?
周囲からどんな人といわれるか?
あなたの強みを仕事でどう活かしますか?

といったことも、わりと聞かれます。

自己PRと長所は重なる部分が多いですが、
全く同じ内容ではなく、
2番目の強みを考えておき、話せるようにしておくと良いですね。

https://note.com/miyabicareer/n/n59c46986cde1

 

面接への準備

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面接で聞かれることはどんなことでしょう?

「志望動機、自己PR、学生時代頑張ったこと」は

三大質問といわれ、話す機会も圧倒的に多いと思います。

こうした学生が答えやすい質問を初めの方にして
学生の緊張を和らげようと配慮する企業もあります。

まずはこの3つの質問に、きちんと答えられるよう
しっかり作りこみを行い、練習を重ねましょう。

ときどき、
自己PRと学チカが同じエピソードになっていることが
あります。

だめではないのですが、この2つの質問は
大学生活の2大トピックを取り上げるイメージですから、
同じ話になってしまうと、

「他にはないのかな?」
「あまり活動的ではないのかな?」と思われてしまう可能性もあります。

なるべく違うエピソードでまとめておいた方がいいと思います。

長さは1分半から2分くらいが目安です。

この三大質問は、学生側もしっかり準備しますので、
どうしても添削を受けたり、面接練習をしたりして
他の人の手が入りやすくなります。

体裁の整った立派な内容ではなく
学生の素の部分を知りたいと思う企業は多いので、
企業によっては、この三大質問は一切聞かないというところもあります。

最近多いのは、

雑談形式で話を進め、
一つの話を深く、深く堀り下げて聞いていくというパターンです。

ですので、
取り上げられるエピソードを整理して
エピソードごとに、自分なりの考え、経験からの学びを考えておくと
よりスムーズに人物像を伝えることができます。

その際は、キーワードで覚えておき
あとは、その場その場の質問に応じて、話したいことを見繕って話す習慣をつけるようにしましょう。

ある程度進んでしまうと癖がついてしまい、
「暗記しないと話せません」という学生もいるので
初めの段階から、その場で考えて話す癖をつけましょう。

企業側は、素の状態を知りたいので
あえてその場で考えないといけない
想定外の質問をするケースも多くみられます。

ネットや面接対策の本に
「よく聞かれる質問」や「想定外の質問」例がでていますから

もし自分が聞かれたら・・・とシュミレーションしておくと
本番であわてなくてすみます。

面接の受け答えでは、
質問をはさみやすいように、会話を意識しましょう。

話すときは、面接官に対してまんべんなく視線を送り、
はっきり聞こえるように心がけます。

急な質問を受けて戸惑ったときは
「そうですね・・」といって間をおけば、
少しの時間であれば待ってくれます。

ESの内容と不一致がないように、
提出したESのコピーは必ず取り、面接前に確認しましょう。

ときどき、

「初めのころにESを書いたので漠然とした内容になってしまったが、
いろいろ手直ししていくうちに自分なりの考えが浮かび、
違うことを話したい」といわれることがあります。

また
「一次面接で話したことと違うことを言ってもいいですか?」
という質問も受けます。

提出済みのESを採用者が持っている場合が多いため

全く違う内容を話すと
「あれ、書いてある内容と話がちがうぞ」となってしまいます。

その場合は、
前半部分(3分の1くらいでも可)でESの内容に沿ったことを話し、
後半部分で「また・・・」と新たに話したいことを追加していく
といいと思います。

また、最大の困難や就活の軸など、ESには書いていない質問で
1次面接で話した内容と違うことを言いたいときは、
個人的には、そのまま話してしまっていいとお伝えしています。

人事担当者などで同じ人ですと、
この間と違うぞとなってしまいますので注意が必要ですが

大体の場合は、1次と2次の面接官は違う人であることが多いですし、
前に話した内容が一言一句メモされて
上にあげられているわけではないからです。

対応に迷ったときは、面倒でもキャリアセンターなどで
確認してから臨むといいと思います。

自分の判断が間違っていたり、裏目に出てしまったりして
残念な結果になってしまうと、とてももったいないですし

採用者側の視点を知って、さらに良くなることも
よくあることだからです。